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「ふぅ…」
小さく息を漏らす。疲労と緊張感を吐き出した言葉を。
「ねぇ、いつ着くの?」
「もうすぐ」
「さっきもそう聞いた気がするんだけど…」
「気のせい、気のせい」
不満を解消する為に話しかけた。前を歩いているであろう人物に向かって。
「ん~…」
どこを進んでいるかは分からない。どこを目指しているのかも。漠然と判明しているのは外だという事。すぐ側を何台もの乗用車が通過していった。
「階段上がるよ」
「え?」
「転ばないように気を付けて」
「う、うん…」
しばらくすると指示が飛んでくる。足の動かし方を変えるようにとの命令が。
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