0.明と闇

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「ふぅ…」  小さく息を漏らす。疲労と緊張感を吐き出した言葉を。 「ねぇ、いつ着くの?」 「もうすぐ」 「さっきもそう聞いた気がするんだけど…」 「気のせい、気のせい」  不満を解消する為に話しかけた。前を歩いているであろう人物に向かって。 「ん~…」  どこを進んでいるかは分からない。どこを目指しているのかも。漠然と判明しているのは外だという事。すぐ側を何台もの乗用車が通過していった。 「階段上がるよ」 「え?」 「転ばないように気を付けて」 「う、うん…」  しばらくすると指示が飛んでくる。足の動かし方を変えるようにとの命令が。
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