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「言えばいいのに。別れたくないって」
久しぶりに私の部屋に遊びにきてくれた真紀がコーヒーをいれたマグをとん、とテーブルに置いて私をじっとみた。
「そうかもしれないけど……」
そういってちょっと笑うと、真紀は大きく息をついた。
「山元さんの邪魔したくないってわかるけど、私は言うべきだと思うよ?」
「私も、もしかしたら留学するかもしれないし」
そういう私に、真紀は首を振った。
「それにしても、だよ。もし試験に受かったとしても、亮輔くんとだったら別れなかったよ、たぶん。亮輔くんは本当に瑤子のこと、好きだったから。そんな亮輔くんと別れてまで山元さんとつきあったのに、期間限定の恋人、なんてなんかおかしくない?」
真紀はため息をついた。
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