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二人でまた、いつのまにか眠ってしまったらしい。はっと気付くと、目を閉じて静かに寝入っている龍に、しっかりと抱きしめられていた。
ベッドの傍の時計を見るともう午後2時近くを指していた。吃驚して身体を起こしながら龍の腕を静かに外すと、龍もうっすらと目を開けた。
「ごめん。起こしちゃった?」
「今何時?」
「もう午後2時」
「2時? すげえ。前の日も寝まくったのに。ここ最近こんなに寝たことないかも」
龍は笑いながらそういうと、今度ははっきりと目覚めたらしく、両手をうーんと大きく上に伸ばした。
龍と二人でこんな風に過ごしていること。幸せなのにじわり押し寄せる別れの予感が痛くて、なんとなく龍を直視できなかった。
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