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「あ、龍帰ってきたかも」
「え? ホントに?」
真紀がちょっとあせった声を出すのを聞いて、思わず笑ってしまう。玄関へ2人で向かうと、龍が荷物を玄関に降ろしているところだった。
「お帰りなさい。荒木さんとの打ち合わせ、早く終わったんだね」
「ただいま」
そういって穏やかに笑う龍の笑顔は、私を瞬間的に幸せにする。
「あ、彼女はいつも話してる友達の真紀だよ」
私の後ろで様子を伺っていた真紀を龍に紹介すると、真紀もぺこりと頭を下げた。
「田村真紀です。お邪魔してます」
「山元龍です。こちらこそ邪魔したかな。ゆっくりしていってください」
龍を見上げた真紀がちょっと緊張しているのと、ヤッパリ私以外の人にはちゃんとした好青年ぶりを発揮している龍におかしくなる。
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