第15話

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 先程塗り直した口紅が、龍の唇についてしまっていた。余計はずかしくなって指先でそっとぬぐう。龍はただ楽しそうに笑っているだけだった。 「私、超邪魔モノだよね。さ、いこうっと。お邪魔しました!」  真紀まで顔を赤くしてそそくさと出ていこうとするから、私も慌てて追いかけた。 「……なんだかよくわからないけど、行ってきます」 「気をつけて」 龍の声を背中でききながら、真紀を追いかけた。  
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