夢の余韻

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「いつも龍といる。けっして離れたりしないよ?」  なぜだか涙が滲みそうになるくらい必死でそう言っていった。 「ホントに?」  龍は心の底から嬉しそうに笑った。子供のような無邪気さと、ひどく色気のある男特有の笑み。ほとんど唇が触れてしまいそうな位置でそんな笑顔をみせられたらおかしくなる。龍の熱い吐息がかかって心臓が痛いほど、激しく脈打ち出す。 「ホントに。だから早く紐を解いて」  あからさまに絡みつく視線。その臆面のなさに、どんどん自分が自分でコントロールできなくなってくる。体の内側に熱がこもってきて息苦しくさえなる。  熱を逃がすように吐息をつこうとした瞬間、間髪を入れずに両手で顔を挟まれて瞳を覗き込まれた。
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