平成親子喧嘩~楽しんでやることは努力とは呼ばない

2/8
前へ
/8ページ
次へ
「じゃあいいっ!(ブチッ(電話を切る音))」  家に実家が来る。もうそれは親という個人ではなく、概念になっている。 「社会じゃやっていけないよ」  推理作家協会に入れてもこれか。 「一人前の大人としては認められないよ」  賞2つもらい、商業著書13冊出しててもこれか。 「好きでやってることは努力に入らないんだからな!」  きっとそうなんだろう。何かを好きになることをやめるしかない。できないけれど。  思うところはたくさんある。  でも、無価値な私に何も言う資格はないのも知っている。  ただ、生きているのが辛い。  もうこういう言葉が一つ一つ、身体に染みついて一人でいても私を傷つけ続ける。 「親子の話だからしかたないじゃないの。いちいち気にするな」  仕方ないんだろう。うん。気にする私が悪いのだ。  だから、私も仕方のない生き方をしているのだろう。仕方ない。  親の言う「世の中」がさっぱりわからない。 「どんなに苦しいときでも子供のために寝ないでがんばるんだ親は」  そうやって親がノイローゼになって苦しんでるのは私の知ってる異世界の話なんだろう。 「ネコは最後まで面倒見るんだ。なにがあっても」     
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加