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そこで本をたくさん読んだ。
楽しい日々だった。
でも、やっぱり、楽しんでやることは努力ではないのだ。
退院した。
そこで本当に楽しいことをしようと思ってしまった。
だから、3000枚の原稿を書くのも、少しも努力ではないし、楽しかった。
そして、またそれを認めてくれる人が現れた。
そして、商業出版デビューもした。
推理作家協会にも入った。
世の中の常、多少揉めたこともあった。
でも、ほんとうに困ったことはなかった。世の不条理さはそんなものだ。
困ったのが、私のことだった。
私には良くないクセがたくさんある。
片付けも下手だし、記憶も注意力も良くない。
今でも家に鍵をかけ忘れたと思って、バスを途中下車して確認に帰宅することもある。
鍵をかけ忘れたことはないのだが、いつも自分を苛む癖がある。
それは許されないことだった。
治す工夫と努力をせまられた。
でも、できなくて、どうやってもとても時間も体力も必要で、私はつらかった。
そして、元嫁が現れた。
親はそれを許さなかった。
口喧嘩が続いた。捨て台詞の応酬で毎日へとへとになった。
結局、元嫁の家に逃げ込んだ。駆け落ちということになったが、逃げたのだった。
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