平成親子喧嘩~楽しんでやることは努力とは呼ばない

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平成親子喧嘩~楽しんでやることは努力とは呼ばない

平成親子喧嘩~楽しんでやることは努力とは呼ばない 「受賞したよ」  私のその言葉に電話の向こうから帰ってくるのは生返事。  ――どうせ冬季オリンピックのテレビに夢中だ。  それでも私のSNSは監視してるらしい。  SNSでネコの吹き替えのネタやっていたら、 「お前にネコから『おとーさん』と呼ばれる資格はない!」  とそれについて言われたのだから。  子供の頃、私は何度も賞状を貰った。  でも、家には持って帰らなかった。  学校の机の奥にくしゃくしゃにして入れていた。  親はそれがショックだったらしい。  ――なにがショックなものか。  私は何も出来ないのだから。  できたうちに入らないのだから。それだけのことだ。 「完璧にやれとは言わないからやってみなさい」  がんばってやってみる。 「少しやり残してあるのが気持ち悪くないのか!」  結局完璧にやらないとやらないと同じである。華麗なるコンボ。 「掃除機もかけられないのか!」  掃除機をかける。 「隅っこが出来てない!」  私から掃除機を奪って全部かけ直す。 「facebookのなんとかがわからなくて」  聞くけどなんのことかわからない。  ――ごめん、何言ってるかさっぱりわからない。     
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