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座り込んでいた男は俺の気配に気が付いたのか、俺の方を向く。
そいつの口から赤い液体が滴り落ちている。
ぞ、ゾンビがいた。
周りを見渡し武器になりそうな物を探す。
ゾンビが立ち上がった。
え!?
俺は立ち上がったゾンビが手にしている物を見て、目が点になる。
人肉を頬張っていると思っていたのに、其奴が手に持っていたのは、右手にキュウリ、左手にトマトジュースのペットボトルだったから。
外にいるゾンビ共と違い、此奴は少しだけ知能が残っていた。
知能が残っているとは言っても、他のゾンビに比べれば、だけどな。
何故なのかなんて学者じゃ無い俺が分かる訳が無い。
他のゾンビと違っているのは、此奴がベジタリアンだという事くらい。
で、其奴と何とか意思の疎通をはかり、共にこの邸宅で同居する事になる。
そ、このベジタリアンのゾンビが俺の相棒なのさ。
俺は相棒の為に庭で野菜を育てる。
相棒は俺の為に、食料や生活必需品などを調達するため、ゾンビが徘徊する外に出かけて行く。
俺達が同居を始めて3年、これからも相棒と2人で暮らしていくことになるのだろうな。
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