建国、そして

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王子を連れ去られ国王が行方不明となった王国は混乱し、帝国へ反撃する手段を失った。 軍は散り散りとなり、国民は略奪と蹂躙に曝された。 繁栄した王都は無人となり朽ち、次第に緑に包まれていく。 やがて時は過ぎ、帝国もその命運が尽きる。 人の記憶から王国と帝国は消え去り、広大な森林となっていく。 かつて異世界より来た神が残した遺産も、その存在を知る者はいなくなった。 更に時は流れ、神や魔法がお伽噺となった頃。廃墟となった王都に立つ人影があった。 「これは面白い。何かに使えるかもしれんな」 人影は幻のように消失し、同時に遥か昔に作られた金属の巨人も消えた。 神と魔が消え失せた世界がどのような歴史を綴るのか。 新たなる歴史が語られるかどうかは、誰にもわからない。
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