172人が本棚に入れています
本棚に追加
王子を連れ去られ国王が行方不明となった王国は混乱し、帝国へ反撃する手段を失った。
軍は散り散りとなり、国民は略奪と蹂躙に曝された。
繁栄した王都は無人となり朽ち、次第に緑に包まれていく。
やがて時は過ぎ、帝国もその命運が尽きる。
人の記憶から王国と帝国は消え去り、広大な森林となっていく。
かつて異世界より来た神が残した遺産も、その存在を知る者はいなくなった。
更に時は流れ、神や魔法がお伽噺となった頃。廃墟となった王都に立つ人影があった。
「これは面白い。何かに使えるかもしれんな」
人影は幻のように消失し、同時に遥か昔に作られた金属の巨人も消えた。
神と魔が消え失せた世界がどのような歴史を綴るのか。
新たなる歴史が語られるかどうかは、誰にもわからない。
最初のコメントを投稿しよう!