猫の恩返し

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ねぇ、僕は、いつも、君のそばにいたよ。 君のすべてを知っている。 僕が、小さい頃、路地裏にあるゴミ箱のそばで ずっと、だれか、助けてって言ってたんだ。 ずっとひとりぼっちで、寂しかった僕を 見つけて、一緒に、お家に帰ろうって 薄汚れた僕を抱き上げて、マフラーで 包んでくれた。 帰ったら、君のママが、こんな汚い子猫なんか 元の場所に、返してきなさいって怒られた。 だけど、君は、ちゃんと面倒みるからお願いと 何度も何度もお願いしてくれて、根負けして 飼ってもいいけど、ちゃんと面倒みるのよ?て 飼えるとわかると、やったーって喜んでくれた。 君は、優しい優しいご主人さまだ。 いつも一緒にいた。 猫のくせに、犬ぽいなって笑ってくれた。 僕に、ヒーローって名前をつけてくれた。 君が僕のヒーローなのに、 そんな君が、病気になってしまった。 パパさんもママさんも、泣いていた。 私が、病気になればよかったのにと泣いていた。 僕が、泣かないでって言っても、ニャーニャーって言葉だけ あーあ、神さま、お願いがあるんだ。 どうかあの子の病気を治してください。 あの子は、僕のこと、ヒーローって名前をつけてくれた大切な大切な人なんだ。 ヒーローだから、守ってあげないと ヒーローは、命を守る大切な役割があるんだ。 神さま、僕は、とても、幸せでした。 だって、あの子に、出会ったから 最後にありがとうと言いたかった。 神さまが、僕の願いを叶えてくれた。 最初で、最後だ。 人間の姿になった僕は、 君より、大人になっていた。 そして、そんな君に、 どんだけ、僕が、君を大好きだったか どんだけ、感謝しているのか、話した。 君は、夢だと思っていると思う。 僕は、君を最後に抱きしめて大好きだよ。って 言ったら、それは、僕の方が大好きだよ。て 抱きしめてくれた。 満月の夜に、サヨナラ これは、子猫だった僕と大好きあの子のお話
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