正反対な彼女

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【さやか】 私、田崎さやかは一瞬浮かれ、すぐに気を引き締めた。 まず浮かれた理由としては、この前合コンで知り合った雅人くんからお食事の誘いが来たこと。しかも二人きりで。 気を引き締めた事に関しては……話すと少し長くなるかもしれない。 私は多重人格で、もうひとりが私の中にいる。テレビを見る限りでは、なんかしらトラウマがある人がなるイメージが強い。でも私は虐待されたわけでも、いじめられてたわけでもない。 それでもどういうわけか、私の中にはレイラという女性がいる。 レイラは私とは正反対。特に恋愛事に関しては。 例えば私は優しくて誠実な人が好き。外見でいうと真面目そうな雰囲気の人がいい。でもレイラは多少豪快な性格の人が好き。見た目も派手な方がいいみたい。 デートコースだって私は綺麗な景色見たり、一緒に美味しいものを食べたり、ゆったり系のデートが好き。レイラは高級レストランで食事をした後、ホテルにこもってるのが好き。 話すのは少し恥ずかしいけど、私はお互いを尊重するような、存在を確かめ合うようなセックスが好き。レイラは心そっちのけで本能のままに、ただお互いに貪り合うようなセックスが好き。 レイラは大のセックス好きで、私が彼氏とそういった行為をしてる最中に代わり、相手がドン引きするほどおねだりするらしい。どんなおねだりかは知らないけど……。 それが原因で彼と別れることもしばしば。 今回はそうならないようにしなきゃ……。私は食事の誘いを受け、雅人くんからのメールを消した。 本当は後で読み返したいけど、レイラに見つかったら困るから仕方ない……。 【レイラ】 本当にさやかはおバカさん。この前合コンで知り合った雅人とかいう男とデートみたいだけど、彼はよくないわ。 優しいフリしてるけど腹の中じゃ何考えてるんだか……。 男の善し悪しを見抜けないんじゃまだまだね、さやか。 メールを消しても無駄よ、私ちゃんと見てるもの。
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