正反対な彼女

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【さやか】 数日後、デート当日。私は公園の前で雅人くんと待ち合わせをしていた。久しぶりのデートが楽しみ過ぎて、はやく来ちゃった。 「さやちゃん、はやいね」 雅人くんだ。 「えへへ、楽しみ過ぎてはやく来ちゃった」 「それは期待に応えないとね、行こうか」 雅人くんは私の手を握って歩き始める。単純なのかもしれないけど、こういうのに弱い。 「着いたよ」 歩いて数分、着いたのはいかにも高そうな高級レストラン。 「え?ここ高そうだけど……」 私のお財布じゃ無理なお店だ。 「何言ってるの、さやちゃんは出さなくていいんだよ。こうしてさやちゃんとデート出来るだけで俺は幸せだから、ご馳走させて?」 「え、でも悪いよ」 「いいから」 雅人くんは私の手を引っ張ってお店に入る。 奥の個室に案内されメニューを渡されたけど、金額が書いてない上に料理名を見てもピンと来ない。 「分かりづらいよね、俺がわかる範囲でどんな料理か説明するよ」 「ありがとう」 雅人くんの説明はわかりやすくて私はなんとか料理を注文する事が出来た。 料理を待ってる間に雅人くんと楽しくおしゃべりをしていると、頭痛がした。 「ちょっとお手洗い行ってくる」 「向こうにあるよ」 「ありがとう」 場所を教えてくれた雅人くんにお礼をいうと、私はカバンを持ってお手洗いへ行った。 『余計なことしないでよね』 メモを殴り書きし、意識が途絶える。 【レイラ】 さやかのメモを丸めて捨てて、私は急いで個室に戻ったわ。そっと覗いてみたらあの男、届けられたさやかのスープになにか混ぜてるじゃない。 せっかくも盛り付けも台無しね、おバカさん。 私は何も知らないさやかのフリをして個室に入った。 マネーボーイ(私お金持ちの坊ちゃんをこう呼ぶの)はどぎまぎしながら私を見たわ。本当におバカさん、それじゃバレバレよ。 「もうお料理来てたのね」 「うん。さ、冷めないうちに」 マネーボーイは私にはスープをすすめてくる。慣れてないのね、怪しさ全開よ。まぁいいわ、騙されてあげる。 私は席に座るとポケットティシュを何枚か引っ張り出した。マネーボーイにバレないようにね。 「いただきます」 私がスープをスプーンですくうと、マネーボーイは緊張した面持ちでそれを見たわ。だからバレバレだってば。 スープを口に入れて味わった。流石は高級レストランね、吐き出すのがもったいないわ。
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