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幸い、カバンは顔の近くに置かれたわ。私はこっそりカバンから折りたたみ式ナイフを取り出した。あ、これはさやかには秘密よ?
さっと起き上がり、マネーボーイの首筋にナイフをあててやった。
「ひいっ!?」
「男でしょ?みっともない声出さないの。それともあなたについてるのは処女膜も破れないくらいお粗末なのかしら?マネーボーイ」
「な、なんで……」
「あなたに発言権はないのよ、これから私の言う通りに運転なさい!」
そう言って運転席を蹴ってやればマネーボーイは震えたわ。
ここまではよかったんだけどね……。
ジョロロロ……
みっともない音と悪臭。もう最悪ね。
「いい歳してお漏らししてんじゃないわよ!」
「ひいぃっ!!ごめ、ごめんなさい!」
「スピード上げなさい!お漏らしマネーボーイなんかと一緒にいたくないわ!」
思い切り運転席を蹴れば、マネーボーイはスピードを上げたわ。
私はマネーボーイに指示を出してとある場所に向かった。
「ここよ、止まって」
「え、でも……」
「死にたいの!?」
「ひいっ!と、止まります止まります!」
マネーボーイは交番前で止まったわ。私はカバンから帽子を取り出すと目深に被った。
スマホでお漏らしマネーボーイの写真を撮ってやる。
「いい?ここから動いたらあんたの連絡先と本名付きでお漏らし写真ネットに流すわよ」
「は、はい……」
マネーボーイの返事を聞くと、私は交番に入った。
「どうされましたか?」
「助けてください!私あの人に睡眠薬盛られそうになったんです!××ってレストランでスープに盛られました!個室の席に案内されて私が少し席を外してる間に入れてたんです!」
私はとびきりか弱いフリをしたわ。
「なんだって!?」
「おい、行くぞ!」
お巡りさん達はマネーボーイの車に駆け寄る。私はその間に人混みに紛れて逃げたわ。
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