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「清楚な顔をして。やる事やってんじゃないの。」
その下品な笑い声に、私は悔しくて、手を握りしめた。
「止めて下さい。」
目の前にいるのは、もう私のお母さんじゃない。
若い男に目が眩んで、子供を捨てた雌豚よ。
「勇介さんは、『僕は君のもの』だって、言ってくれたわ。」
「ふふふ。」
そこでも、あの女は可笑しそうに笑った。
「本当に、純情って言いたい程に、お馬鹿な子ね。」
私は歯を食いしばった。
「今までもね。愛人契約を結んでいた女の子、同じ事を言っていたわ。」
「えっ……」
「『一緒にいたいって言われた。』『愛してるって言われた。』『結婚したいって言われた。』様々よ。」
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