第4章 真実

15/26
前へ
/26ページ
次へ
「清楚な顔をして。やる事やってんじゃないの。」 その下品な笑い声に、私は悔しくて、手を握りしめた。 「止めて下さい。」 目の前にいるのは、もう私のお母さんじゃない。 若い男に目が眩んで、子供を捨てた雌豚よ。 「勇介さんは、『僕は君のもの』だって、言ってくれたわ。」 「ふふふ。」 そこでも、あの女は可笑しそうに笑った。 「本当に、純情って言いたい程に、お馬鹿な子ね。」 私は歯を食いしばった。 「今までもね。愛人契約を結んでいた女の子、同じ事を言っていたわ。」 「えっ……」 「『一緒にいたいって言われた。』『愛してるって言われた。』『結婚したいって言われた。』様々よ。」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加