第4章 真実

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「これから勉強の遅れた分を取り戻すよ。」 「ふふふ。」 泰介といると、まだまだ未来は明るいって思える。 そして私は、ある事に気づいた。 まだ泰介の治療費もかかる。 塾の費用に、大学進学の為のお金。 まだまだ、お金は足らない。 私は、そっと起き上がった。 勇介さんの事もあって、もう愛人契約は嫌だって思っていたけれど、どうやらもう少し、続けなければいけないみたい。 「姉ちゃん。また思いつめた顔をしている。」 「ううん。」 私は無理に笑った。 「これから泰介が大学に行くって言うのに、もっと頑張んなきゃと思って。」 「そうだな。もう少しだけ頼むよ、姉ちゃん。」 私達は、笑い合ってその日を終えた。
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