第4章 真実

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次の日。 私は会社で、三宅先輩に会った。 「先輩、お願いがあるんです。」 「なあに?改まって。」 私は、先輩に頭を下げた。 「先輩、他の愛人契約を、紹介してほしいんです。」 「他の人を?」 予想通り、先輩は驚いていた。 「どうして?上手くいっていたんじゃないの?」 「今は、何も聞かないで下さい。」 俯いて、暗い顔をしている私の手を、先輩は握りしめてくれた。 「何も聞かないで、他の人なんて紹介できないわ。あんなに二人、愛し合ってたじゃない。」 私は、首を横に振った。 「嘘なんです。」 「嘘!?」 「あの人、誰にでもそう言う顔をしてたんです。もう嫌なんです。」
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