第4章 真実

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三宅先輩も、口をあんぐり開けていた。 先輩でさえも、そういう一面を知らなかったのだ。 「……そう言う事だったら、探してみるわ。」 「ありがとうございます。」 私はまた、先輩に頭を下げた。 あんなにいい人を紹介してもらったのに、1カ月もしないうちに、他の人を探してくれだなんて。 調子に乗り過ぎてるって、自分でも思っている。 「でも、いいの?本当に?」 三宅先輩のその質問が、私の心を揺さぶる。 「いいんです。あの人とは、縁がなかったんです。」 「日満理……」 三宅先輩は何とか留まるように言ってくれたけれど、私の気持ちは決まっていた。 私は、母親を許さない。 その相手も許さない。 それだけ。
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