第4章 真実

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その日の内に、本田さんに契約解除を申し出た。 『え?何だって?』 「だから、契約解除です。」 本田さんは、突然の事に少し戸惑っているようだった。 『あの女か。』 どうやら本田さんは、母が家に来た事を知っているらしい。 『あの女とは、何でもないんだ。』 「でも、別れられないのでしょう?」 本田さんは黙っている。 彼は優しい。 家庭を捨ててまで、自分を選んでくれた女を、捨てる事なんてできないのだ。 『考えなおしてくれ。』 「散々悩んで、出した答えです。」 私はそう言って、電話を切った。 これでいいのだ。 私達を裏切った母親と、同じ男を共有するなんて、絶対に有り得ないから。
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