第4章 真実

23/26
前へ
/26ページ
次へ
しばらくして会社の目の前に、本田さんの車が停まっているのが見えた。 きっと、私と直接話をしたいのだろう。 でも、話す事はない。 だってもう、契約は終わったのだから。 私は会社の裏口から、出ようとした。 その瞬間だった。 誰かに腕を捕まえられた。 「先輩……」 それは、三宅先輩だった。 「いいの?彼、迎えに来てくれているわよ。」 私は黙って俯いた。 「一度、話をするべきよ。」 「話なんてそんな……何を言うんですか?」 あなたの一番大切にしている女性は、私の母親だって? そんな事、言えない。 「だったら、正々堂々と表から出るべきよ。裏から出るなんて、卑怯だわ。」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加