プロローグ -ゲームを始めましょう-

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「怖いこと言うなよ、今回はトーマも村人だろ?」 『まーなw』  このゲーム――ネットでの人狼ゲームは、ルームメンバー全体で話が出来るパーティチャットと、個人同士でやり取りが出来るチャットがある。俺達のように個人チャットで結託して、ゲーム攻略を目指す奴もいる。ただ、この連携が上手くいかず、裏切り者になる時だってある。俺達の場合、お互いが村人同士の時だけ連絡を取り合うことにしてる。 「あ、次の追放人が決まる時間だ」 『あっぶね、投票し忘れるところだったw』 「おいおい、しっかりしてくれよ……村人が勝てなくてもいいのかよ?」 『大丈夫大丈夫。人狼はあと一人なんだからさ』 「まぁ、そうだけど……」  トーマの言う通り、既に一人は追放することに成功していた。占い師によって人狼だと思われてたのが二人いた。そこで俺達は、どちらを信用するか……一人を犠牲にすることによって、あぶり出すことに。  結果は、霊媒師によってどちらが本当だったかもわかった。このタイミングで霊媒師が名乗りをあげたことにより、村人側が有利になったと思われたが……。 「あんまり油断するなよ? 残ってる人狼、めちゃくちゃ頭いいぞ?」 『確かに……でも、こっちは騎士も占い師も生きてるんだ。大丈夫だろ』 「足元すくわれても知らないぞ」 『先に死んだ奴がよく言うよ』 「それなw」  トーマの的確なツッコミに、思わず吹き出した。身体を震わせて笑ってる間に、また一人が追放された。
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