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高校二年にあがった時、そのことを話して、距離を取ろうと試みたけど――
「なんで? 私は一緒にいたい人、遊びたい人を選んでるだけだよ? 周りに決められた人と一緒にいても楽しくないじゃん」
とハッキリ、笑いながら言われた。それからは俺も気にしないことにしたし、周りから陰口が飛んでくるけど、一年の時より何とも思わなくなった。
「昨日も遅くまでゲームしてたんだ」
……訂正、周りからの陰口は何とも思わないけど、梓からの小言には思うことがある。
「勝手に決めつけるなよ。勉強だったかもしれないだろ?」
「じゃあ、勉強して寝不足なの?」
「いや、ゲームだけど……」
「やっぱり」
口元を拳で隠して笑う梓を見て、どこかで見てたのか? と思ってしまう。
「また人狼ゲーム?」
「そ、祐真に教えてもらってからハマってて」
「祐真君って……中学まで一緒だった?」
「そ、その遠島祐真」
中学の時まで同じだった祐真は、今は同じゲーム内で【トーマ】として毎日話してる。そのせいか、あまり離れた感じがしない。祐真の両親は仕事の関係で転勤が多いらしく、この間までは九州に住んでたとか……つい最近になって、関東に戻ってきたって訊いたような気もする。
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