episode 2

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なんだかんだと気持ち悪がられながらも金曜日。 何としてでも平嶋課長とお近づきになりたい私は、歓迎会でなんとか課長の隣をゲットしようとしたのだが。 現実はそんなに甘いものではないということを思い知らされた。 モノにしようと言い寄ってくる女子社員はいなくなったにしても、やはりそこは人気ナンバーワンの平嶋課長だ。 少しでも話したい、隣に座りたい。 あわよくば一緒に写真を……という女の餌食となっていて、私は完全に蚊帳の外状態だ。 くっそう……。 こっちは『あわよくば』なんて軽い気持ちで平嶋課長に近付きたいわけじゃないんだよ。 本気で下心しかないのだから、邪魔しないでいただきたい。 しかも今回の歓迎会は四課合同ということもあって、平嶋課長と同じテーブルに座れなかった待機組が、そわそわしながら隙間を狙っているようだ。 それに加えて、がっちりと平嶋課長の隣を確保した一課の梨央と、チラチラと怯えながら私に視線を投げてくる三課の和宏という諸悪の根源までもがいる始末。 この二人の存在を記憶から全て抹消した二日間を送ってきた私は、平嶋課長といかに親睦を深めるかということだけ考えていたので、こんな面倒くさい絵図になるとは思っていなかった。 平嶋課長の隣に隙間ができたときが移動のチャンスだと、センサーのように神経を研ぎ澄ましていたけれど。 私より高度なセンサーを持っている女子社員が多すぎて、私のセンサーは完全にエラーを出してしまった。
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