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「辛い?」
「消えたい?」
「じゃあ一緒に死んで仕舞おうか。」
「ううん。辛い顔をしてる君を見るのが辛いんだ。だから幸せにしてあげる為にね…。」
「何も無かったよ、そんなに僕がいじめられてるように見える?」
「ねぇ、陽花。実はね」
「僕は不平等な世の中が大っ嫌いなんだ」
「貧乏な人、裕福な人」
「いじめる人、いじめられる人。とか」
「死にたいと思う人がいるのに、生きたいと思う人だっている。」
「それが許せない」
「だから僕は自分の中で精一杯平等を貫く事で不平等に抗ってきたつもりだった」
「今もね」
「そうしたらさ、僕のお父さんがいない理由も分かるだろうから。でも」
「僕の大切な人が不平等な扱いの所為で壊れて行くのが見えて、気づいた」
「不平等は誰かを守るためにあるんだって。自分を保身するためにあるものだって。」
「だからといって許される事じゃ無い。それじゃ自分の幸せの為に誰かを犠牲にしてるだけじゃないか。」
「本当はもうこんな事考えるの嫌だったんだ」
「考えると止まんなくて」
「僕も死にたくなっちゃって」
「っていうのは嘘で。」
「実は、引越しする事になった。」
「だから陽花とはお終い」
「嫌じゃなくて…」
「大丈夫。」
「俺は絶対陽花の味方だよ」
「ああ。泣かせたのならごめん。まぁ二年も経てば帰ってくるよ。」
「え?ごめんって。待ってよ。言っておかなきゃいけないことが」
「陽花。」
「帰っちゃった。」
「ー…面白くないなぁ」
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