手紙

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『それは、「元気で暮らしていることを両親に連絡すること」。  そういうわけで、ボクは今この手紙を書いています。アルファリアさんは、ボクの横で荷物の整理を手伝ってくれています。これから、この手紙を出して、アルファリアさんの所に引っ越しです。  それじゃあ、これで。  草々』 「……書けました。」  アルファリアさんに報告する。 「あ、書けた?それじゃあ、配達屋さんの所に出しに行こうか。」  早速、出かける準備を始める。ボクは、ちょっと気になっていたことを尋ねてみた。 「どうして、こんな条件を出したんですか?」 「ん~、どうしてかなあ。そうねえ。やっぱり、同居する以上、身元はきちんと、ていうのももちろんあるんだけど。生まれてから11年間一緒に暮らしてたんでしょ?だったらやっぱり心配してるよ。……私も親にずいぶん心配、っていうか、迷惑かけちゃったからね。ちょっとしたおせっかい、かな。」  アルファリアさんは、そう言って、笑った。素敵な笑顔だな、とボクは思った。
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