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「メル兄ちゃん!」
やっぱり、鎖を切るのが先だ!
歯を食いしばり、苦痛に堪えるメルへ伸ばした腕を誰かが掴む。石の上に投げ倒された僕は、痛みにナイフを手放してしまった。パリン、石にぶつかり欠けたナイフの破片が、飛んだ
「さっさと退けばいいものを。邪魔なんだよ、お前は」
ズルズル、敷き詰められた石の上を引きずられていく。ゴツン、骨に石があたり、皮膚という皮膚が引き裂かれていくように痛い。この時、僕は必死の思いで目を開けて、僕を引きずる男の顔を見た
バロン
メル兄ちゃんの目を射った男。ぺっ、口に溜めた唾をバロンに吐きかけた。目を吊り上げたバロンの拳が僕の顔を殴る、殴る、殴る
「落ち着きたまえバロンくん。見苦しい顔とする前に私はまだ、コレで悦しみたいのだよ」
「はっ、申し訳ありません。閣下」
「コレのした責任はアレに取って貰おう」
髪を掴まれた。ぐっと持ち上げられて、ブチブチ、頭髪が何本か抜けた
「いいか、お前が生意気な行為をしなければアレは懲罰を受けずにすんだのだぞ」
閣下が嗤う
僕の髪を掴むバロンも嗤う
「口を開けろ。舌を噛み切られたのでは楽しめんからな」
バロンの仲間がメル兄ちゃんの開かせた口に棒を突っ込む。僕の唇に閣下の舌が這う。気持ち悪い、僕の頭をバロンが掴み直す。息が苦しい、見開いた眼球が乾く、頭が痛い、僕は口を閉じることもできなくなった
「準備が出来たら合図します」
兄だった人がボタンスイッチを閣下へ渡す。閣下の表情に広がる下卑た笑みに寒気がする。メル兄ちゃんの排泄器官をバロンの仲間が持ち上げ、閣下の部下が金属の細い棒をメル兄ちゃんの陰嚢の付け根に押し当てた
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