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「メル兄ちゃん・・・・・・っ、」 男の腕はメル兄ちゃんみたいに逞しい。僕を肩に担ぐ男の背を 「ウソつき・・・・・・、うそつきっ」 ポカポカ殴った ボトッ、車内で投げ落とされたけど、痛くない。下には山積みの毛布、鼻をつくのは濃い消毒液の匂い 「この車・・・・・・護送車じゃない?」 呆然と呟く僕にチラッ、視線を投げた男が 「クレイ、坊やの手当てを頼む」 「はいよ」 看護士たちと娼夫の手当てをしてた医師を呼びつけ、僕の前に腰を下ろし 「怪我や病を治すのが仕事の僕たちにとって、緊急車両に犯罪者を乗せていれば敵対組織と警察も敵となる。田中医院では自衛に力を入れてるし、外部の音声機器も遮断してて安全だ。坊や、メルの身に何が起きたか話してくれ」 ギラリと光る眼で僕を見据えた メル兄ちゃんを救い出すための協力は何だってする。そんな僕をエイジ先生は仲間に入れようとしなかった。自らの美貌で兄だった人を籠絡し、夢中にさせてる間にナイト先生がメル兄ちゃんを捜し出すと言う 僕は嫌だった。あんな、好きでもない男の欲望のはけ口とされない方法を考えよう、真剣に言ったのにナイト先生はぷっ、吹き出すし 「キミと交換でもいいけどね。証人の僕まで消されそうだし、成功率が低すぎて使えない」 エイジ先生の冷たい眼差しが怖くて、口を閉ざし俯いた
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