プロローグ

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男女の性の混濁は人類の誕生とともに始まっていた。スカートを履いた男が家事を担い、ズボンをはいた女が働きに出向くのが普通。言われるようになったころ、女の腹にあった子宮は前立腺となり、卵巣は陰嚢の中に沈下した。女性は元々、男性への進化の途中形態であり、心理学的には性差は存在していなかったとするのが通説だ 「希少な女性体の形態を見れば分かるように、女性の尿道は割けているが男性への進化で接着します。ご自身の陰嚢を確認して貰いたい、縦に走る縫い目は進化の過程を証明するものであります 男性の体にはしっかり、子宮、卵巣と残されているのだから当然」 言葉を切ったエイジがパチンと指を鳴らす。立体映像化されたのは古代から変わらない、産婦人科の内診台の上で脚を開く男性の下半身。あまり手入れされてない下半身のアップに、研究者たちが重い溜め息を洩らす。白衣を纏う青年たちの手によって、男性の陰嚢は皮袋に収められ、ぱっくり割れた尻の谷間が浮き上がった 「男の妊娠は可能です。ただし、誰でもというわけにはいかない。肛門挙筋が発達してない者に出産は難しい。では、どうやって妊娠可能者を選別するのか、疑問に思われる皆さんに、簡単な選別方法をお見せします」
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