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内診台に固定されている中年の男は聖マリアージュ医院院長、田中バロン。幼い時分に父を亡くし、孤児となったエイジの恩人、田中医院院長ダンジの兄だ。そのバロンを囲むのは田中医院外科医の波田ナイトと、内科医の須田クレイ。ともに、エイジの親友であり、ダンジの教え子でもある
弟の教え子たちに辱めを受けるバロンの
「こんな真似してタダで済むと思うなよ!」
女にモテそうな整った顔は憤怒で赤く染まっていた
「はいはい、聞こえてますからもう少し、声のトーンを落として下さい」
ナイトがニ本の指で嫌そうに、バロンの蕾を開く
「止めろ! お前ら全員クビにするぞ」
「いいぞクレイ、挿れてやれ」
バロンの直腸に、クレイが押し入れるのは太マジックサイズの軟らかな蝋燭。ただし、バロンに使用したのは蝋燭ではない
「挿入を終えたらお腹に力を入れるよう、指示して下さい」
映像がエイジのアップを映し出す。ナイトは事前に用意した蝋燭をエイジに渡し、即効性の高い麻酔薬が利き始めたバロンを手術室へ運ぶ。出産可能者であろうがなかろうが、音声を遮断した解剖室で映像化されたのは、バロンの尻だけ。バロンを見て、立体映像の人だと指差す人は皆無だろう
「ご覧ください。蝋燭には二段の括れの跡が残っています。上部が肛門挙筋であり、下部が膣括約筋によるものです。この二つの括れを残せた者こそ我々人類の救世主、出産可能者である!
試験管と人の差別をしている場合ではありません。今すぐ、出産可能者を保護する世界連邦国憲法を作り、人類の誇りを取り戻す母となる人の身の安全を確立すべきです」
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