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プロローグ異世界への旅立ち。
なやーご飯よぉー
ママの呼ぶ声が聞こえる。
いかなきゃ。
「はーい!」
なやがバタバタと足を鳴らしママのいるキッチンへ走っていく。
幼稚園卒業後の春休み。
須原家はとても騒がしく、賑やかな日々が続いている。
「ほれ、なやや…
走ると転んで怪我するぞぃ?」
「うん!大丈夫だよ
わっ!!」
おばあちゃんの忠告を守ろうとせず走り続けたなやが転ぶ。
お転婆で好奇心旺盛
なやは、そんな少女だった。
「おやおや…
大丈夫かえ?」
「ひっく…
オヴァちゃん…」
泣きそうな表情のなやをおばあちゃんがあやすように頭を撫でている。
「ほれ、泣きなさんな。
なやちゃんは、いい子だから」
「ぅん…」
おばあちゃんに手を取られ立ち上がると今度は転ばないようにゆっくりと歩き出した。
「えらいねー。なやちゃんは。
どれ、ワッシも行こうかのう。」
そして、曲がった腰をよいしょっと立たせ、ゆっくりとなやの後をついていく。
「マーマー。」
「もうちょっと待ってね。」
ご飯ができるまで、もう少し時間がかかるようだ。
「うん!!」
なやは、食卓テーブルに設置された椅子に座り、外を眺めている。
優しい木漏れ日がなやを照らし、優しく包む。
あったかーい。
暖かさにつられ、うとうととしてきた。
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