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「ちょっ!あぶないじゃかいか!!」
剣が手からこぼれおち、痛がる幼女の手を掴み、傷を見る。
幸い深く切れた訳ではない様だ。
ほっと溜息をつくもつかの間、まるで夕立の様に泣き始めてしまった。
「わぁーん!!!」
「ごっ!ごめん。!」
咄嗟にポーチから包帯と治療回復薬エリクシエルを取り出し、幼女の傷にぶっかけ巻く。
「ほら、これで大丈…」
「ふぇーーん。」
それでも幼女が泣き止む様子もなく、幼女はユグルトに抱きつきながらわんわん泣いて止まらない。
「いだいよぉー。」
「本当にごめんよ。
痛かったね。包帯にしたからもう大丈夫だよ?」
「うぇあおぇーー」
「あー。
よしよし、痛かったねー」
なにを言っても泣き止まず、五分ほど抱っこしてやっと泣き止んた。
「ヒック…ヒック…けほっ!」
やっと…泣き止んだ……。
どっと疲れが襲い、肩の力を抜いた俺に、幼女が言う。
「もう死なない?」
それは…と言いかけた瞬間に、再び赤子の様に顔をしわくちゃにして泣きそうな顔をする幼女に俺の選択肢は皆無だった。
「ふぇっ!?」
「う!うん!死なない!!
死なないから!」
「ほんと?」
「うん。本当。」
「よかったぁー。」
まるで爆弾の様な幼女を爆発させない様にするのは一苦労だ。
どっと疲れが出た様に、俺は大きなため息をついた。
「はぁー。
ところでお嬢ちゃん。
なんでこんな所に?」
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