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一緒に住むとかはともかく無事母親の元へ返さないとな。
俺は、笑みをこぼしなやの頭を撫でながら言う。
「よし!じゃあお母さんの所に帰らなきゃな。
なやちゃんは、どこに住んでるのかな?」
ユグルトは世界を旅して魔王を倒した勇者だ。
知らない町などないとこの時は自負していた。
「C県のO町だよー?」
C県?O町?
子供の言う事だから何か勘違いしているのかもしれない。
そう思って心当たりのある街の名前を言ってみた。
「シー王国のオクト村かな?」
「シーおーこくぅ?
違うよぉ~。日本のC県だよー。」
「に…日本?」
聞いたことの無い国だ。
そんな国が本当に実在するのか?
「ど…どんな国なんだい?」
今度は場所外見で察することにした。
「んーとねぇー。
車がいっぱい走っててねー。
おーきなビルとかいっぱい建っててねー。
お店がいっぱいあるの!」
車?ビル?お店がいっぱい?
ユグルトが想像したのはこんな国だ。
車といえば、どこの誰がつけたのかは不明だが、さっき俺がなやちゃんにやっていたのを肩車といったな。
ビルとは、しゅわしゅわな黄色い飲み物。
その上お店がいっぱいかぁー。
想像すればするほど、こう言いたくなる。
ク…クレイジー……
そんな国を見た事がない。
なやの家を探すのは骨が折れそうだ。
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