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こうでもしないと遺体回収から帰ってきた王子の言葉が引っかかってしまう。
「なっ!?シエルの遺体が!?」
「あぁ…無かったそうだよ。
ランディの遺体も、城の外に埋められていたそうだ。」
「じゃあ!シエルは生きている可能性が…
いや、ありえない。
彼女は、たしかにアドラースの炎で消し炭にされてしまった。」
「……
彼女は魔導師だったな。
魔導師は数少ないがゆえに、貴重な人材…
であると共に魔に準じやすいと言う。
もしかすると、魔の者に遺体を奪われた可能性も…」
「ばっ!バカな事を言わないでくれ!」
「あくまで可能性の話だ。
悪かったな。ではそろそろいくとしよう。
側近がうるさくて仕方ない。」
「あぁ。またな。」
シエルが…魔の者に?
その一件が昨日の夜の出来事。
考えて朝まで眠れなかった。
今日の睡眠時間は2時間。
しかも、シエルが地中から助けを求めて俺の足を掴むと言う悪夢だ。
正直疲れている。
だからこそ、没頭していたい。
何も考えたくないのだ。
周りに気付かれず、かつ疲れを見せたくない。
俺は必死に木を切り続けた。
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