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なやちゃん。お願いがあるの。
けやきの木から声が聞こえてくる。
「うわぁー!木が喋ったぁー!」
驚きと共に好奇心かわいてきて、ペタペタと触りまくる始末。
「どうなってるの?
スピーカーどこ?」
あのー。あまり触らないでほしいなぁー。
と、恥ずかしげな声にいたずら心がわいたのか、木の幹をくすぐり出すなや。
「こちょこちょこちょこちょこちょこちょ」
ちょっ!やめてください。
くすぐっ…
「キャハハ!ママと一緒だぁー。」
ちょ…本当…やめ…
やめてください!
「うん!いーよ!」
くすぐりを十分に楽しんだなやは、くすぐるのをやめ、木に向かい首を傾げながら聞いた。
「あなたが呼んでたの?」
え…えぇ……。
なやさんに…ハァハァ…お願いが…
ハァハァハァと息を切らしながらも、ゆっくりと答えるけやきの木になやは悪気の無い無邪気な笑みを浮かべながら言った。
「ちゃんと息を整えてから喋った方がいいよぉ~。」
…………!!
ハァハァハァと息を切らす音が響き続け、急に落ち着くと大きなため息の後、ゆっくり話し始めた。
「なやちゃんにお願いがあります。」
「なぁーにぃー?」
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