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難しくいっても伝わらないと思ったけやきの木は、少し考えた後、ものすごく噛み砕いて説明する。
んー。
勇者はね?
今、お友達が死んじゃってすごーく落ち込んでるの。
なやちゃんが慰めてあげてほしいなーってお姉さん思うんだけど。
これで伝わらなければどう伝えれば良いかわからない。
ここまで噛み砕いて話したんだから、わかって欲しい。
けやきの木は、ハラハラしながらもなやが答えるのを待った。
「んー。かわいそーだねぇ。
わかった!なやが勇者を慰める!」
ありがとう。なやちゃん。
では、早速。
「待って!
お姉ちゃんのお名前は?」
あ、ごめんなさい。
私は、エル。
エルシア=マルステラよ。
「エルお姉ちゃんかぁー。」
よろしくね。
なやちゃん。
優しげな微笑みを浮かべているような笑い声がそよ風に紛れ聞こえてくる。
それに呼応する様に、なやも満面の笑みを浮かべた。
じゃあ、アルスティアへ!
「エルお姉ちゃん!」
ん?
「いくつなの?」
しゅっぱーつ!
なやの質問に答えず、強制召喚の魔法陣を
発動させる。
「わっ!うわぁー。」
突如足元に現れた魔法陣が輝き出し、光の中へ吸い込まれていく。
ユグルトをお願いしますね。
「エルお姉ちゃーん。
いくつぅー!!!」
ま、まだ言ってる……。
光の為か目の前が真っ白になり、徐々に意識が薄れていった。
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