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プロローグ2魔王討伐。
「くはははは!勇者よ。
その程度か?」
「くっ。」
別世界アレスティア。
俺は仲間と共に魔王アドラース討伐の最中。
「うぐっ!」
魔王からきつい一撃をもらってしまった俺地に足をつけてしまった俺の側に仲間がかけつけ、今治療を受けている。
「大丈夫か!ユグルト!」
「うっ。ハハハ…
見てわからないか?ランディ」
肩に十字架のマークがついた鎧を着込み、颯爽と俺の前に立つ短髪の優男は、俺の親友で幼馴染のランディ。
聖騎士として、国王の命を受け、討伐パーティに参加した頼れる仲間だ。
「ちょっと!静かに!
傷が深いんだから!!
しっかり!メディカルトリートメント。」
「うっ!すまない。
シエル。」
今治療してくれている黒のレオタードにマントとマジカルハットを被った少女の名は、シエル。
この世界でも珍しい治療と攻撃の魔法が使える職業魔導師で、正体を隠し、村娘としてひっそりと暮らしていたのだが、村がモンスターに襲われた時、討伐に尽力してくれた事をきっかけに、魔王討伐のパーティに参加した16歳の少女だ。
「ハハハ…。
不甲斐ないな…と言いたいところだけど、君でその様子じゃ私もあまり長く持ちそうにないな。」
「ランディ…すまない。
聖剣を俺が上手く使いこなせていれば…」
「仕方ないさ。
本当に気まぐれな聖剣だからね。」
悔しさのあまり思わず、右手に持つ聖剣エクスセンティアを強く握りしめてしまう。
聖剣エクスセンティアは、勇者の気持ちに左右される。
俺の覚悟が足りないせいで…
覚悟をしていた。
いや、していたつもりだったのかもしれない。
聖剣は正直だ。
俺の覚悟が足りない事を見透かし、真の力を出しきれずにいる。
届かぬ刃。
魔王の纏う闇は、聖剣の力で切り開かねばどんな攻撃も通さない。
本来なら俺が魔王の闇を切り裂き、突破口を作らなくてはならないのに、何故俺は躊躇している?
今やらなくては、この度の意味が!!
理屈ではわかっている。
だが理屈以上に、俺と魔王の間には深い関係があった。
それは…
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