第二章 甦る過去

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まだあどけなさの残る幸太。 遥にとって可愛いと思うし、とても大切な幼馴染みだと思ってはいる。 自分の良い部分も悪い部分も含めて、いつでも真っ直ぐな愛情を遥に向けてくれているのは本当に有難いと思っている。 だからこそ、何度、幸太の気持ちに応える事が出来たら良いと考えたのかわからない。 それでも遥の心が求めるのは、無表情で何を考えているのか分からない冬夜だけ…。 自分の気持ちなのに、何故、こんなにも思い通りに出来ないのかと、遥はいつも思っていた。 (恋愛とは…厄介なものだな…) 遥は心の中で苦笑いをしながら、じゃれている2人から視線を外して窓の外に視線を投げた。 眩しい光が降り注ぐ中、遥は嫌な胸騒ぎを打ち消すように溜め息を吐く。 「遥先輩?大丈夫ですか?」 ぼんやり考えていた遥の瞳を、大きなあどけない幸太の瞳が見詰める。 「何がだ?ほら、そんな事より、本当に取材に行くなら、調べなくちゃならない事があるだろ。さっさと仕事する」 心配そうな幸太にそう言ってデコピンをすると、遥はデスクにあった書類へ手を伸ばした。 幸太は不満そうに口をへの字にすると 「ほら!冬夜さんのせいで怒られた!」そう言いながら、自席へと歩き出す。 「はあ?人のせいにすんな!」 冬夜もカメラを取り出しながら、まだ2人で言い争いしている。 なんだかんだと仲の良い2人に、笑みがこぼれる。 微笑ましい光景に、遥は願わずには居られなかった。 どうかこの当たり前の日常が、ずっと続きますように…と。
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