第二章 甦る過去

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「だから、ダメだと言ったらダメだ!」 あれからというもの、遥と冬夜は毎日のように言い争っている。 あの写真の場所へ行きたい冬夜と、行かせたく無い遥。 遥には予感があった。 あの場所へ行ったら、冬夜がもう戻らないような気がしていた。 もう一人の自分が、その場所に冬夜が行く事を止めている。 あの日以来、遥の胸の中でずっと警戒音が鳴り響いている。 夢の中で、追い掛けても追い掛けても冬夜が遠ざかって行く。 でもそれは夢では無く、予知夢のような気がしている。 決して手の届かない人だとわかっている。 でも、せめて側に居る事くらいは許して欲しいと願うのはいけない事なのだろうか? 消そうとしても消えない不安感。 冬夜を失う恐怖感と、この想いから逃げ出したい気持ちの狭間で揺れていた。 「だったら、3人で行ったらどうですか?」 言い争う二人に、幸太が笑顔で提案してきた。
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