OOP-ARTS(オーパーツ)

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 西暦を使用するのに下2桁しか使わないようにしていたプログラムが多かった。たとえば『1998年』なら『98』だ。1998年と1999年の比較では、98と99なので当然99の方が大きい。しかし、1999年と2000年の比較だと99と00となってしまうため、99の方が大きいと判断されて1999年>2000年とおかしなことになってしまう。  そのため、西暦下2桁で扱っているところを洗い出し、画面に表示するだけなら【問題なし】、計算に使っているなら【問題あり】として西暦4桁に修正していたという。  昔システムを作っていた人は、まさか2000年以降もシステムが使い続けられるとは想定していなかったのだろう。いやひょっとしたら、想定していたが、その頃はもう自分は居ないだろうからと、ほかっておいたのかもしれない。  年号の問題も似たようなものだ。  多くのシステムでは、元号の設定はプログラムの修正をしなくていいように設定ファイルやデータベースのマスタデータに入れられている。  昭和で64年もあったのだから、平成もすぐには終わらないと思われたのだろう、中には日付の選択肢が〝明治〟、〝大正〟、〝昭和〟、〝平成〟とソースファイルに直接書き込まれ、新しい年号が簡単には追加できないようになっているシステムもある。  西暦と和暦の変換処理などでは、平成の次の新しい元号が設定していない場合はいつまでも平成が続いていくことになってしまう。  自分の仕事は新元号に関して、【問題なし】、【要プログラム修正】、【要ファイル修正】、【要データ修正】を切り分けることだ。プログラムの修正までは手をつけず、実際の修正は他の担当者へとまわされる。  元号をどのように扱っているかは仕様を見れば分かることになっている。ドキュメントが残っているものはいいが、そもそもドキュメントが存在しなかったり、ものによってはドキュメントとソースコードが食い違っていたりして、結局ソースファイルを見ていくしかない。
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