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「顔真っ赤(笑)」
「だって…」
私なりに朔夜に見られないようにしていたのに、それが意味のないものだったなんて…
穴があったら入りたいくらい恥ずかしい――
「俺、すげぇ嬉しかったよ。一生一緒にいたいって思ってくれてんだって」
「え…?」
「その愛海のお願い叶えてやんなきゃなって。そうするには、早く社会人になって金貰って、早く仕事を任せてもらえるような男になってないとなって」
「朔夜…」
「でないと、金持ってるいい男に盗られるかもしんねぇし」
「朔夜っ…」
「会社に入ってからそれしか考えてなかった。愛海を幸せにしたい一心で。でも―――逆に泣かせてばっかだった。馬鹿だろってくらい仕事して、俺の頭の中は何年も先の愛海のことで、目と鼻の先にいる愛海は放ってた」
「朔夜、もういいっ…」
朔夜に腕を引っ張られ、私が抱えていたものは全て床にばら撒かれる。
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