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中にロウソクを灯し、換気の目安とする。それからシュラフを出してくるまり、ザックに腰をかけてひとまず落ち着いた。指がどうにか動くようになる。手袋はしたままで手帳を取り出し、記述する。
「一月三日、天候急変、進退谷まる。K岳稜線付近にてビバーク。天気回復を待つ」
明日晴れたら小屋まで戻れるか。
思いつくいくつかのなすべきことを書き付け、少し湯を沸かそうか、とホエーブスに点火してコッフェルに雪を入れて溶かそうと用意し始めた。ホエーブスがごうごうと上げる炎のなんと力強いことか。
ザクッ、ザクッと雪を踏みしめる音が聞こえた。お仲間か。遭難一歩手前でもう一人に会えるとは。一人では出来ないことも二人であれば可能になる。一度に身体に活力が戻った。
「すみません」
外から声がかかった。わたしはまだ凍って痛い身体を動かして入り口を塞いでいるツェルトをほんの少し捲った。
「助かった」
雪で真っ白になった男はそういった。狭いが体育座りならなんとか二人入れるくらいの広さは確保してある。
「俺も心強い。中、入って」
そう言ってから身をかがめて入ってきた彼の装備を一瞥した。あまり心強い道連れではなさそうだったが、この悪天候のなか突き放すこともできない。
「前回来たときは晴れ上がって綺麗で、また来たいと思ったんですがね」
男はそう言った。
俺は言いたいことは全て呑み込んで、
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