2/11
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「一滴の神酒を我が胸に注げ。さすれば一万年の眠りから醒め、我戦いを共にせん」 「みき?」 「ミキちゃん?」 「ミキッペ?」 「ミキちゃんの汁?」 「ミキちゃん抱っこしたいってコト?」 「ガイコツになっちゃってまで女好き?」 「て言うか、1万年も寝てるからガイコツになっちゃうんだろーが」 「開けてみよう」  カワトネの指示に、隊員は再び力を合わせてその蓋を外した。  中に横たわっていたのは髑髏だった。  本物か或いは弔いに付す宗教的儀式的仮面の類か、照らすライトの光の中でも判別は出来なかったが、ただのムクロではない証拠に首から下はたった今眠りに就いたかのような筋骨隆々とした身体だった。  その時。  岩に閉ざされてしまった入口が突然爆発した。  激しく渦巻く砂ぼこりの中、ぽっかりと開いた入口の空間に異様な黒覆面の男たちが立っているのが見えた。  救助かはたまた冥界の使者か。  だが、救助があるとは思えなかった。  周りを覆う特殊な鉱石層のせいか全ての電波が遮断され外界との通信が不能となっていた私達である。何度基地への通信を試みても果たされなかったのだ。  わらわらと石室内に侵入してくる黒覆面の手には銃とおぼしきものが握られており、トリガーの引き絞られたその銃口から殺人光線が発射された。  隊員たちは咄嗟に手近な岩陰に身を潜め、乱射される光線を避けた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!