第一章 運命の出会い

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「会長!」 私の手を引くその人を見て、女性が驚いたように声を上げると「し~。内緒でこの子、連れて来ちゃった」 そう言いながら、その女性にウインクをした。 「内緒って……え!誘拐ですか?」 呆れた顔をしたその女性に、「会長」と呼ばれたその人は笑いながら 「そうそう、可愛からついね……って違うよ!ブルムンの可愛いファンをお連れしたの!」 爽やかイケメン会長さんの乗り突っ込みを見て笑っていると、会長さんは私をそっと前に出し 「お宅のダーリン様の小さなファンだよ」 そう切り出した。 すると眼鏡の女性は真っ赤な顔をして 「もう!その言い方、止めて下さいって言っていますよね!」 と会長を睨んだ後、眼鏡をかけた女性が私の高さまでしゃがんで笑顔を浮かべ 「一人で来たの?」 と質問した。 私は首を横に振りながら 「従姉妹のお姉ちゃんに連れて来てもらったの」 そう返事をした。 「ここで立ち話も何だから、中に入って」 眼鏡のお姉さんは優しい笑顔を浮かべ、私を中へと促した。 中に入ると、恐らくステージ終わりであろう男性が、上半身裸で首からタオルを下げて立っている。
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