9人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
第2話
今日は私の誕生日だ。
そして私はこの国の王女だ。
それ故、家で誕生日パーティなるものが開かれていた。
周辺に住む貴族やら、色々を誘ったので結構な大人数がこのパーティに集まった。
だか、今日は私の十六歳の誕生日であるため、ただ純粋に誕生日を祝いに来たものは少ない。
王家と繋がりを持とうとご機嫌伺いに来るか、あるいは成人したのをいいことに、私――否、王女との婚約をしておくためにパーティを訪れたものが多いだろう。
しかも、後者の方が多いように感じる。
「……はぁ」
私らしからぬため息をつくと、常に後ろをついてきていたククリが声をかける。
「どうしました?せっかくの誕生日にため息なんて」
「いや、誕生日とかパーティとか、ましてや婚約なんて面倒臭いなぁってね」
是非わたくしの息子と……などと詰め寄ってくる老いた貴族、いいや俺と婚約を……と人を押しのけてまで来る若い貴族…他にも多くの人から婚約しないかと誘われた。
ハッキリ言って全員迷惑だ。
「……で、お嬢は誰かと婚約しようって考えてるんですか……?」
そう尋ねてきたククリの表情は、わずかに暗かった。
最初のコメントを投稿しよう!