Side. A

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家に連れて来て温かい水で洗ってあげるとその子猫が綺麗なオレンジ色と雪のように白い色の毛を持ってるのがわかる。誰が見てもかわいいね、とは言えない顔をしているが毛の色だけは綺麗。 「でも触り心地は良くないね」 そう言いながら猫に牛乳をあげる。なにをあげればいいかわからない。食べられるかな、とちょっと心配したがその猫は美味しそうにそれを食べて、完食した。小さくにゃあー、と鳴いた猫はソファーに寝転がり、そのまま眠ってしまった。知らない場所に来たのに怖くはないのかな。私はその子がしたいように置いて自分のための夕食を作り、食べて、眠りについた。次の朝、開いてある窓で子猫は出ていった。やはり猫はそんな生き物なのね、と思いながらも少し残念そうに感じる自分を見つけ、ちょっとだけ驚いた。
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