CANDY POP

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「へへへ~、この小さなハートはねぇ、あたしの気持ちだよ~、なんちゃって」  言うが早いか、彼女はぽんっと僕の口の中へハートを押し込んだ。  嬉しそうに、そして少し照れたような顔でゆりはこちらを見ている。  僕はそんな彼女を見ながら、座っていた身体を彼女の方へぐいっと向き直した。 「違う。これは、僕のハートだよ」 一瞬の間に僕は彼女の両肩に手をやった。  僕の口から移された小さなハートを、驚きながらもぎこちなくゆりは受け止めた。  小さいけれど、甘くて可愛らしいハートは、小刻みに震えたままゆりの口の中でゆっくりと溶けていった。  ゆりが受け止めたハートは、ストロベリーの味だった。
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