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「我々はこの時期になると、ランダムに選んだ者の願いをプレゼントしている。その幸運を手に入れた者の一人が、君の後輩である氷室雪だ」
サンタクロースが?
あいつの願いを?
「氷室雪の願い――それは『今日という大切な日を、大切な人と過ごしたい』というものだった」
「!」
「君は本来、今日はここに来る予定はなかった。そうだな?」
「あ、ああ。急にバイトが辞めて人手不足ってことで呼び出された」
「そして君達は、隔絶された場所で今も一緒に過ごしている――全てはあの子の願いを叶えた結果だったのだが、ここでトラブルが起こった。一向に氷室雪の想いが解除される兆しが見えない」
「ど、どういうことだ?」
「本来、願いが叶った時点でこの空間も元に戻るはずだった。だが、隔絶は今も加速度的に続いている。このままでは、君達は永遠に元の世界から切り離されることになる」
「つまり、戻れないってことか!?」
「恐らく彼女の真の願いを我々は読み間違った。この事態を解決できるのは、内部にいる君のみだ・・・・・・幸運を祈る」
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