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どちらの実家も大事。
それは、亜希のドレスのことも含んでいる。
亜希が悩んでいることを初めて打ち明けられた時、新郎はどうして言ってくれなかったんだと責めてしまった。
その後、彼女に謝りながら、ちゃんと話し合って決めていこう、一人で悩まないでそれを自分にも分けてほしいと言い、彼女に嬉し泣きの涙を流させた。
両方の家庭のいい部分を受け継ぎながら、自分たちのスタイルを築いていく、新郎の決意は亜希の決意でもあった。
付け合わせはやっぱりらっきょうかなあと会場で新郎が言うと、それくらい両方用意します、買ってきて袋を切るだけですからと亜希が返して、笑いをとる。
「こんなことも言わないでいるとあとからきっと不満が残る。そんなことのないよう、僕たちはこれからも努力していきます。どうか暖かく見守ってください」
新郎がマイクを控えていた会場の担当者に渡し、二人一緒で礼をすれば、会場からは拍手が送られた。
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