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そして翌日。
私は一日中気になった。
電話の向こうの名前も知らないあの人が…
名前だけじゃない。
住んでる所だって、年齢だってわからない。
なのに…
ものすごく、ものすごく気になった。
そして私は勇気を出して、電話した。
喋るつもりで…
プルルルル…
ガチャ≫
「もしもし⁉」
………………
声が出ない…
「もしもし⁉ねぇ、何か喋ってよ」
私はドキドキして全く喋れない…
「ねぇ、じゃあ喋らなくていいから質問に答えてよ」
「男⁉女⁉女なら息をふーってしてよ」
私はびっくりしたけど、喋らずに答えれるならいいやって思って、受話器に向かって、ふーってした。
そしたら男は色々質問してくる。
私はその度に息をふーって。笑
だんだん楽しくなってきたんだ。
そしたらね、あの人はこう言った。
「明日は喋ってよ」
私はこの言葉に息をふーってできないまま電話を切ってしまった。
だって、今さら喋れないよ…
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